本記事では上記のような疑問を解消していきます。
本記事でわかること
・行政書士試験の平均受験回数
・1回で受かるための勉強法
これから行政書士試験合格を目指すにあたってどれくらいの受験回数で受かるかは知っておきたいのではないでしょうか。
年に1回の開催ですからあまり回数がかかるようだと受験するかしないかの判断材料になると思います。
そこで本記事では、データを元に行政書士試験の平均受験回数を紹介するとともに、1回で合格できた筆者の経験から受験回数が多くならないような勉強法を解説していきます。
行政書士試験の平均受験回数
本章では、行政書士試験の平均受験回数について説明していきます。
1回だけでなく2回目以上での合格者も多い
行政書士試験の平均受験回数に関しては公式の発表はありませんが、上記の通り、通信講座で有名なフォーサイトが受験回数別に合格体験記をまとめてます。
1回での合格者が多くなってますが、独学ではなくフォーサイトを利用したこともあって、しっかり試験対策ができた人が多いからだと思います。
実際、2020年度の本試験では、合格率が10.7%であったのに対し、フォーサイト受講生の合格率は41.3%と平均よりもかなり高かったです。
ですので、1回で受かった人の割合はこれよりも少ないと考えられます。
上記を見ても、2回目以降で受かったという人も決して少なくありませんので、2回目、3回目の受験となっても珍しいことではないです。
1回で受かるのは難しい試験?
行政書士試験は例年合格率が10%ほどで推移しており、それだけ見ても1回で受かるのは容易ではないことがわかります。
また、合格に必要な勉強時間も、一般的に600時間から700時間程度要することから、年一回の本試験までに十分勉強時間を割くこと自体も大変です。
特に仕事や家事で忙しい人は日々の勉強時間を捻出するのに苦労するでしょう。
行政書士試験に1回で受かるのが普通というわけではないですので、1回で受からなかったからといって、合格を諦めないようにしたいところです。
逆に、普段忙しくてなかなか勉強時間を割けない、本年度の試験まで間に合いそうにない、といった人は、本年度の合格を目指しつつも、2年計画で合格を目指すというのもアリだと思います。
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大事なのは受験回数よりも勉強時間
受験回数を重ねたとしても、勉強した時間が少なければ合格できるかどうかの勝負にもなりません。受験回数よりもどれだけ勉強時間を割いたのかが問題です。
フォーサイトでは、下記のように勉強時間別にも合格体験記を掲載しています。
ご覧の通り、600時間以上の人のケースが多いことがわかります。期間に関しても6ヵ月以上がほとんどです。
フォーサイトは、初学者でも500時間で合格を目指すというカリキュラムを用意しているとのことで、500時間以下の人もいますが、多くはないです。
逆に言うと、通信講座でしっかり試験対策している人でもそれくらい勉強する必要があるとも言えます。
いずれにしても、どんなに地頭がいい人でも、知識が0の状態から100時間~200時間で簡単に受かる試験ではありません。
ですので、受験回数がどうこうというよりも、学習計画をしっかり立てて、600時間から700時間程度の勉強時間を割くようにしましょう。
また、勉強時間を積み重ねるだけでなく、学習の質も大事で、論点に関して理解を深め、知識の精度を上げることが大事です。
【行政書士試験】受験回数が多くならないようにするには?
行政書士試験で受験回数が多くならないようにするにはどうしたらいいのかについて説明していきます。
学習計画を立てる
受験回数が多くなることなく、なるべく1回で行政書士試験に受かるには、本試験までに試験範囲を一通り学習し、十分な問題演習や直前対策を行えるよう学習計画を立てることが大事です。
いつまでもテキストばかり読んだり、なんとなく問題集を解いたりしてても、思ったように実力は付いていきません。
先ほど、600時間から700時間程度の勉強時間が必要と言いましたが、その600時間をテキストの熟読だけに費やしては駄目です。
目標の勉強時間を、インプットだけでなく、問題演習などのアウトプットや苦手な論点の克服、記述・一般知識対策、直前対策などに適切に割り振っていくことが大事です。
また、インプット・アウトプット・実力完成・直前対策など学習のフェーズを区切って、いつまでに何をするべきかを明確にし、メリハリをつけた学習を進めましょう。
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民法と行政法は得点源にする
民法と行政法は配点の約6割を占めているため、これらが不得意で得点が安定しないと1回で受かるのは難しいです。
具体的には、択一で民法と行政法を合わせて20問以上安定して取れていれば、全体の得点としても大きく崩れる可能性は低くなると思います。
民法と行政法は一朝一夕では身に付く科目ではありませんので、直前期になってから慌てて勉強しても思ったように得点力が上がりません。
ですので、学習初期から民法と行政法を重点的に学習して、早い段階で基礎を固めておくと学習計画的に後が楽になります。
本試験前に模試などを複数回受けて、民法と行政法を安定的に得点できているかチェックするようにしましょう。
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過去問を完璧にする
行政書士試験は過去問を完璧にすれば合格レベル付近には達する試験です。
過去問だけで受かるとまでは断言できないですが、自分の経験だと過去問演習が最も効果的で、1回で合格できた要因だと思っています。
市販の過去問集はボリュームなどに違いがありますが、個人的には一番ボリュームのある「合格革命 行政書士 肢別過去問集」をおすすめします。
過去問集は正答率が9割以上になるまで何回も繰り返しましょう。
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学習範囲を広げ過ぎない
学習範囲を広げ過ぎると試験に出ないような論点ばかりを追いかけることとなり、結果として、受験回数が重ねてしまう可能性が高くなります。
行政書士試験は法律の試験科目が多く、それぞれ条文数も多いので、満点を取りにいって未出の条文や論点を勉強してしまうことがありますが、基本的にはおすすめできません。
民法や会社法などは1,000以上の条文があり、勉強していたらキリがないです。
また、勉強範囲を広げると、重要論点の知識の精度が落ちてしまい、結局得点力は上がるどころか、下がるリスクもあります。
未出の論点の勉強は模試や予想問題で少し補強する程度に留めるようにしましょう。
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記述は部分点をしっかり取る
行政書士試験での記述問題は六法を見ることができず、何も書けないと0点の可能性もあり、相性によっては大きく失点してしまう科目です。
択一ではある程度点を取れたが、記述で大きく失点して、惜しくも受からなかったという方も少なくないのではないでしょうか。
基本的には、択一でしっかり点を取って、記述であまり点を取れなくても合格できるようにしておきましょう。
その上で、記述で安定して点を取るには、部分点を着実に取れるような勉強を普段からしておくのが大事です。
具体的には、記述で部分点となるような条文上の重要キーワード(要件や効果の部分)を思い出せるようにしておくことをおすすめします。
自分の場合は、記述対策本を解く他、条文のキーワードをマーキングして隠し、思い出す訓練などをしてました。
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一般知識は文章理解で確実に得点
一般知識は傾向がよく変わり、過去問演習があまり効果がない科目です。
運要素が強いので、運悪く足切りとなってしまったという方もいるかもしれません。足切りにならずとも、あまり得点ができないと合格点に達しないということもありえます。
試験対策が難しい科目ですが、文章理解だけは毎年必ず出題され、3問中2問は取れますので、ここでしっかり得点するのが大事です。
私自身は、なるべく早く正確に解くために公務員試験対策本の「公務員試験文章理解すぐ解ける直感ルールブック」を別途購入して文章理解の対策をしました。
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試験当日にベストコンディションにもっていく
行政書士試験に受かる実力があっても、本試験当日に力を発揮できなければ受かるのは難しいです。
行政書士試験は試験範囲が広く、人によっては総復習に時間がかかってしまいます。
私自身の場合、読むのが遅いというのがありましたので、分厚いテキストでの総復習はやめて、まとめ本で全範囲を軽くチェックするようにしました。
復習の方法は人それぞれだと思いますので、自分なりの復習の方法を本試験までに確立しておきましょう。
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忙しくてもなるべく毎日勉強する
人によっては仕事などで忙しく、全く勉強時間を割けない日というのも出てくるかと思いますが、そんな日でも少しでもいいですから勉強するようにしたいところです。
1日でも休むと、覚えたことを忘れやすくなりますし、気が抜けていつの間にか勉強自体しなくなる可能性もあるからです。
行政書士試験は試験範囲が広いので、復習の間隔が空いてしまうと、学習効果も薄れてしまいます。
ですので、忙しい時であっても1日30分くらいでもいいので、毎日勉強する習慣をつけましょう。
受験回数を多くしたくないなら通信講座を検討する
行政書士試験を独学で行うと、教材選びや学習計画作成、勉強法などで迷うことも多いです。
どこまで試験対策をしてよいのかもわかりにくく、気づかないうちに非効率的な学習をしてしまい、結果として、受験回数が多くなってしまうリスクも高くなります。
受験回数をなるべく1回ですましたいなら、カリキュラム通りに進めていくだけでしっかり試験対策ができる通信講座の受講を検討しましょう。
おすすめ講座としては、合格率が高くて教材の網羅性に優れた「アガルート」や、オンライン学習環境が充実してて格安の「スタディング」、「フォーサイト」などがあります。
下記の記事にておすすめの行政書士通信講座を紹介していますのでぜひ合わせてご覧ください。
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まとめ
今回は行政書士試験の平均受験回数を中心に紹介させていただきました。
ポイントは以下の通りです。
本記事のポイント
・受験回数が2回以上の人も多い
・しっかり試験対策すれば1回でも受かる
・受験回数よりも勉強時間が大事
・学習計画を立て無駄な勉強はしない
受験回数が2回以上となることも少なくない試験ですが、しっかり学習計画を作成して、十分な勉強時間を割き、質の高い学習を心がければ1回での合格も十分狙えます。
法律初学者でも教材を丁寧に学習すれば合格ラインには達しますので、行政書士に興味がある人はぜひチェレンジしてみてください。