上記のような悩みを抱えていませんか?
フリーランスということで仕事の約束を口約束で進めてしまい、後々トラブルに発展するというケースは少なくありません。
仕事を受注する側から契約書を交わすことを提案するというのも気がひけてしまうと思います。
クライアントとどんなに良好な関係を築いていたとしても、お互い人間ですから認識のズレは起きるものです。
クライアントと長く信頼関係を築き、お互いの権利・責任等を明確にする上でも契約書締結はしておいたほうがよいです。
そこで本記事では、行政書士である筆者がフリーランスとして活動している方向けに業務委託契約書のメリットや作成上のポイントについて詳しく説明していきます。
フリーランスが業務委託契約書を交わすメリット
フリーランスが業務委託契約書を交わすことにはいろいろなメリットがありますので、1つ1つ説明させていただきます。
報酬未払いを防止
フリーランスとして活動する場合、口約束でクライアントからの仕事を始めたが、指示通りに仕事をしたのに報酬が支払われないというのを防止するために契約書の締結は重要です。
近年では、Webライターや動画編集などフリーランス・副業として取り組む人が増えてきましたが、ネット上でのやり取りが多いというのもあってか、納品したのに報酬が支払われないというケースも少なくありません。
実際、筆者もWebライターとして執筆業務をすることもありますが、問題なく納品したのに連絡が途絶えるというケースもありました。
特にフリーランスとして駆け出しの時は、契約書作成までするのは気がひけたり、知り合いからの依頼だから契約書を作成するほどではない、といった理由で契約書作成まで至らないことも多いかと思います。
フリーランス専業では、一度報酬未払いが発生すると生活自体が脅かされる可能性があります。そうした事態を避けるためにも、極力契約書を作成するようにしたいところです。
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当初の約束にない仕事を強制されない
契約書によって行うべき仕事の内容や範囲を明確にすることも大事です。
仕事内容があいまいだと、当初聞いていた内容以外のことも途中で依頼されたり、修正作業を延々とさせられたりします。
多かれ少なかれ当初の依頼内容から逸脱した指示を受けることもあるかと思いますが、度が過ぎるとその依頼だけで多大な時間を費やし、報酬と見合わない作業量となってしまいます。そうなると他の案件にも悪影響を及ぼすこととなるでしょう。
クライアントから無理難題を押し付けられないためにも業務内容からあいまいさを排除していくようにしましょう。
クライアントとの信頼関係を構築
クライアントと長期的に信頼関係を構築していく上では契約書の締結は非常に重要です。
どんなにお互い信頼していたとしても、ささいなことからトラブルとなり、築き上げてきた信頼関係は一瞬にして崩れる可能性があります。
信頼していたからこそ口約束での契約や頼みごとが多くなり、当初の約束から逸脱した依頼も増えてしまうということもあるでしょう。
そうしたリスクを減らし、クライアントと対等な関係で仕事を行っていくためにも契約書の締結は極力していくことが大事です。
業務委託契約書作成時のポイント
業務委託契約書はテンプレート通りではうまくいかない場合があります。
本章にて作成上のポイントを説明していきます。
契約の形態
フリーランスの方が案件を受注する際には一般的に業務委託契約書を締結しますが、その契約の形態としては、請負契約と準委任契約の2種類あり、それらの違いや性質を理解しておくことが大事です。
請負契約は、成果物をクライアントへ納品して報酬が発生する契約を意味します。
それに対して、準委託契約は仕事自体に報酬が発生する契約のことであり、請負とは異なり成果物の納品が報酬発生の条件ではありません。
ご自身が受注している仕事の性質に合わせて、契約の形態を契約書に盛り込んでいく必要があります。
業務の内容・範囲
フリーランスが案件を受注するにあたっては業務の内容や範囲を契約書内において具体的に決めておく必要があります。
例えば、動画編集の仕事を請け負う場合、ただ動画編集作業をするのか、サムネイル作成・画像加工や動画撮影、その他修正作業までするのか、などを決めておかないと、受注後に作業量がどんどん増していく可能性があります。
当初想定していないような作業依頼を延々と受けないようにするためにも、最初の契約の段階で業務の内容・範囲をしっかり決めておきましょう。
報酬・料金
報酬未払いのリスクを避けるためにも、フリーランスの方は報酬・料金に関して契約書にしっかり定めておきたいところです。
特に「報酬額」、「支払期限」などを具体的に定めておきましょう。
また、消費税や源泉徴収の扱いについてもきちんと明記しておくことが大事です。
著作権の移転
フリーランスが制作した成果物の著作権が、フリーランス側とクライアント側のどちらにあるのか、どの時点で移転するのか、という点も大事なポイントです。
この点があいまいだと、成果物をクライアントによって勝手に二次使用されたり、報酬を受け取っていないのに勝手に使われてたり、といったトラブルが発生してしまいます。
そうしたトラブルを避けるためにも、著作権移転の有無や移転のタイミングなどについて契約書上で明確しておきましょう。
キャンセル
万が一、契約がキャンセルとなった場合に報酬をどうするかについても決めておいたほうがよいです。
フリーランス側としてはクライアント側から案件を突然キャンセルされて、報酬も支払われないというリスクもあるからです。
キャンセル料の支払いなどを定めておきましょう。
まとめ
本記事では、フリーランスが業務委託契約書を締結するメリットや作成上のポイントについて解説させていただきました。
フリーランスはクライアントに対して弱い立場となりがちで、トラブルに巻き込まれやすいです。
自分の身を守るためにも業務委託契約書を締結したうえで案件を受注していくことをおすすめします。
契約書を交わすにしても、その内容をある程度読み、理解しておくことも大事です。
業務委託契約書をうまく活用し、フリーランスの活動を円滑に進めていきましょう。
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