本記事では上記のような疑問を解消していきます。
本記事でわかること
・行政書士事務所の要件
・事務所設置に用意すべき物
・バーチャルオフィスやレンタルオフィスはOK?
・事務所の立ち合い調査はあるの?
・自宅開業ってどうなの?
行政書士として利用する事務所は何でもいいというわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。
また、事務所調査や立ち合いの有無、バーチャルオフィス・レンタルオフィスの可否なども気になるという人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、行政書士事務所開業済みの筆者が、自分の経験も踏まえつつ、行政書士の事務所に関してよくある疑問をまとめて説明していきます。
行政書士事務所の要件
本章では、行政書士事務所の基本的な要件を始めとして、何が必要で、何に注意すべきかを筆者の体験も踏まえて説明していきます。
【重要】登録予定の行政書士会に確認する
本章では行政書士事務所の要件を説明していくわけですが、大前提として、登録予定の行政書士会に確認することをおすすめします。
都道府県によって、提出する書類や事務所立ち合い調査の有無、事務所設置の要件など微妙に異なっており、一概に言えないからです。
ネット上には本サイト以外にも開業に関して様々な情報がありますが、必ずしも正確とは言えません。
行政書士会の規定や登録手続き・費用などは変更されていることもあり、最新の情報にアップデートされてない可能性もあります。
実際、筆者が登録する時も、ネットで調べてた登録費用が昔の情報で行政書士会に確認したら現在はより高くなっていた、ということがありました。
ですので、本サイトや他のサイトを参考にしつつも、正確な情報は行政書士会に確認するということを忘れないようにしましょう。
開業の流れや手続き、費用などについては下記の記事もぜひ合わせてご覧ください。
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行政書士開業の流れ・手続きを解説!準備すべきものを把握しよう!
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行政書士の開業に必要な費用・登録料・入会金を解説
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事務所の使用権原が適正であること
行政書士事務所とする上で「事務所の使用権原が適正であること」が特に重要で、賃貸物件にて開業する場合、行政書士事務所としての利用が許可されていることが求められます。
逆に言うと、許可さえ得ていれば、事務所として契約していない居住用の賃貸物件でも開業可能です。
登録時は「事務所の使用権を証する書面」を提出する必要があります。
例えば、東京都行政書士会にて、賃貸物件を事務所として登録する場合には以下の「事務所の使用権を証する書面」が求められます。
・自己名義の賃貸借契約
(ア) 自己名義の賃貸借契約書(写)
※契約の使用目的が住居用の場合は、賃貸人からの使用承諾書(規定用紙)
をご提出ください。
引用:東京都行政書士会「登録・入会のご案内」
上記の場合だと、口頭でOKをもらうだけでは駄目で、きちんと書類として提出する必要があります。
事前に大家さんや不動産の管理会社に、行政書士事務所としての利用が可能か、許可を書類として提出してもらえるか、といった点を確認しましょう。
行政書士事務所にバーチャルオフィスやレンタルオフィスは可能?
結論から言うと、バーチャルオフィスはNGで、レンタルオフィスはOKな可能性があります。
バーチャルオフィスは基本的に住所を貸すだけのサービスで、事務所としての独立した空間を持つことができないからです。
一方、レンタルオフィスは個室利用で、他の空間としっかり分けることができ、セキュリティ上問題がなければ行政書士会からOKが出る可能性があります。
加えて、以下のようなメリットがあります。
レンタルオフィスのメリット
・通常の賃貸物件と比べて初期費用が安い
・事務所設備を購入する必要がない
・ネット料金など運営コストも削減
・街の中心部でも賃貸料が安い
注意点としては、個室でなく、空いている席をフリー席として利用するだけのレンタルオフィス(コワーキングスペースに近い)や、ちょっとしたパーティションで区切られただけの半個室型レンタルオフィスだとセキュリティ的にNGが出る可能性があるでしょう。
つまり、レンタルオフィスと言っても様々な形態があり、OKかNGかは一概には言えません。
いずれにしても、契約したいレンタルオフィスの形態・設備や、事務所開業の可否を確認した上で、登録予定の行政書士会にレンタルオフィスでの開業ができるかを確認するようにしましょう。
自宅開業でも大丈夫?
事務所としての要件を満たしていれば自宅開業(自己所有・賃貸問わず)でも問題ありません。
ただ、事務所スペースと生活空間は分けておく必要があるでしょう。
ワンルーム賃貸などの場合は、分ける余裕はあまりないかと思いますので、生活空間(ベッドや布団など)をパーティションで見えないようにするか、簡単に収納できるような形にしておくのがよいです。
また、自宅開業の注意点としては、自宅の住所が公開されるという点です。
営業の電話や郵送物は来ることがありますし、仕事とプライベートを分けることができないのは精神的に疲弊する可能性があります。
とはいえ、自宅開業だと別途物件を借りる費用がかからないのは大きなメリットです。
開業時にあまりコストをかけれないという人はまずは自宅開業からスタートし、軌道に乗ったら別途物件を借りるという形でよいでしょう。
事務所設置に用意すべき物
事務所設置に用意すべき物としては以下の通りです。
事務所設置に用意すべき物
事務用机・椅子
書類保管庫
金庫
電話
コピー機
PC
事務所入来者控え用具(テーブル・椅子・記載台等)
FAXは必須ではなく、電話も固定電話でなくともOKで携帯の番号で大丈夫です。
書類保管庫はセキュリティを考慮し、鍵付きのものにしたほうがツッコミが入らないと思います。
これらは登録申請時に用意しなければならないというものではありません。
事務所の立ち合い調査がある場合、調査日直前に慌てて用意するのも大変ですから、できる範囲である程度準備しておいたほうがよいでしょう。
ちなみに、筆者が登録した宮城県行政書士会では、登録後に開催される授与式の後に事務所内部の写真を送る手続きだけですみました。
行政書士会による事務所調査・立ち合いをクリア
登録する行政書士会によっては事務所調査・立ち合いがあり、行政書士事務所として適しているか、申請内容と合っているか、などをチェックを受けます。
前述の通り、設備や備品を用意しておくようにします。
また、支部のお偉いさんがいらっしゃることもありますから、お茶やお土産を用意しておいたり、質問をまとめておいたりしておきましょう。
ちなみに、筆者が登録した宮城県行政書士会では、事務所調査・立ち合いがありませんでした。
都道府県によって、事務所調査・立ち合いはあったりなかったりのようなので、この点も事務局へ確認したほうが良さそうです。
【行政書士開業向け】おすすめレンタルオフィス
行政書士開業におすすめレンタルオフィスサービスを紹介していきます。
Regus
Regus(リージャス)は日本(国内170拠点以上)だけでなく世界的にも展開(世界120ヵ国)している最大手のオフィスサービスの1つです。
日本でも首都圏を始めとして主要都市に拠点があり、街の中心部にて行政書士事務所のオフィスを構えることができます。
ハイグレードなビル内にオフィスがあり、オフィス家具やインターネット環境など設備も充実。
1名から100名まで事業規模に応じて個室が用意されてます。
月額料金2万から契約できて敷金返金も不要、短期間でも契約ができるので余計なコストがかかりません。
コストを徹底的に抑えて事務所経営をスタートさせることができるでしょう。
\世界最大手のブランド・公式サイトはこちら/
BIZcircle
BIZcircleでは、国内の主要都市に拠点があり、低価格にてレンタルオフィスを提供しています。
月額2万円台から借りることができ、保証金・敷金は一切不要、初期費用は77,000円から、という安さ。
水道光熱費・インターネット利用料は使用料と共益費の中に含まれているため、別途追加料金はかからず、安心して利用できます。
会議室は15分100円(税込)から使えるので、顧客とのミーティングが多い行政書士事務所でも使い勝手が良いです。
コスパよくレンタルオフィスを借りたいならぜひBIZcircleをチェックしてみてください。
\月額2万円台から利用可能・公式サイトはこちら/
その他行政書士事務所に関してよくある質問
本章では、その他行政書士事務所に関してよくある質問について説明していきます。
表札・看板設置は義務?
行政書士事務所において表札・看板の設置は以下の規定により義務です。
行政書士は、その事務所に行政書士の事務所であることを明らかにした表札を掲示しなければならない
行政書士法施行規則第2条の14
筆者は宮城県行政書士会所属ですが、登録後に表札・看板を設置した部分の写真を撮って提出しました。
どれくらい費用がかかるかは気になるところかと思いますが、簡単な看板プレートならネット注文で数千円程度ですみます。
賃貸時の賃貸借契約書・使用承諾書は絶対必要?
前述の通り、賃貸物件を行政書士事務所とする場合は、賃貸借契約書や使用承諾書などの提出を求められます。
この点は都道府県によって微妙に異なっており、行政書士事務所としての利用を許可した使用承諾書を提出させる行政書士会と、提出は必須ではない行政書士会があるようです。
物件契約後に、実は事務所利用ができないということがないように、提出書類については所属予定の行政書士会に確認しましょう。
筆者は宮城県行政書士会所属ですが、事前に行政書士事務所としての利用を許可されていればOKとのことで、賃貸借契約書だけの提出ですみました。
ただ、後から問題なるのが嫌だったので、念のため、賃貸借契約書に行政書士事務所としての利用を許可する旨の記載をしてもらいました。
不動産屋や大家さんによっては、事務所としての利用を許可するけども、賃貸借契約書への記載や使用承諾書の提出をしたくないという場合もあります。
つまり、口頭ではOKをもらっても、書類としては用意できず、行政書士登録申請時につまづく可能性があるということです。
実際、自分が物件探しをしていた時もそういうケースがありました。
提出する書類を地元の行政書士会に確認して明確にした上で、物件探し・契約をしていくようにしましょう。
行政書士として事務所を用意できそうにない場合はどうする?
ここまで行政書士開業時の事務所設置について説明してきましたが、「思ったより準備するのが大変そう」、「コストがかかるから厳しい」と思った方もいるのではないでしょうか。
特に自宅の賃貸物件を事務所に利用しようと思っても、大家さんや管理会社から許可をもらい、書類も作るとなるとハードルが上がります。
かといって、自宅とは別に物件を借りるのも大変でしょう。
事務所を用意できず登録するつもりはないが、行政書士資格を活かしたいという場合は、個人的には、法律系のWebライターかブログがおすすめです。
いずれも登録する必要がなく、在宅でパソコンとインターネット環境さえあればできるので、コストがかかりません。
行政書士資格を苦労して取得したのに活かせてないという人はぜひWebライターかブログを検討してみましょう。
※Webライター・ブログの始め方については下記の記事をご覧ください。
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行政書士資格はWebライターに最適!メリットと始め方を解説!
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【行政書士向け】ブログの始め方・メリットを徹底解説【簡単10分で開設】
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まとめ
今回は行政書士開業時の事務所設置を中心に紹介させていただきました。
事務所は単に住所を用意すればいいというわけでなく、様々な要件をクリアしなければならないということがおわかりいただけたかと思います。
これから開業予定の方も、受験予定の方も、いざ開業となった時に物件を用意できないとならないよう、事務所の要件をしっかり把握しておくことが大事です。
場合によっては物件の準備にかなりお金がかかる可能性があります。
事務所経営を中長期的に行っていくためにも、賃貸料などが大きな負担とならないよう物件選びも慎重に行うようにしましょう。