行政書士資格を活かして転職したいと考えている人は多いのではないでしょうか。
せっかく難関資格を苦労して取得したのですから高い給料で安定した仕事に就きたいところですよね。
しかし、「資格を取得しても転職できない」、「転職できても安月給で激務だ」といった噂も少なからず聞こえてきます。
たしかに資格があったからといって転職活動は楽ではありませんし、実務は甘くないでしょう。
ただ、行政書士で転職といっても様々な職種や転職先がありますし、それを見つけるためのサイトやエージェントもかなりたくさんあります。
まず転職活動前に情報収集するだけでも進み具合は全然違うでしょう。
本記事では、どのように転職活動したらよいかわからない人向けに役立つ情報をまとめていきます。
未経験から行政書士取得と転職は可能なのか?
行政書士に関する口コミを調査
そうなんですね。自分は29歳で行政書士持ちで未経験企業人事へのチャレンジでしたが、やはり厳しくてブラックにしか内定もらえずでした。でも、そのブラックで経験積んで、+社労士資格を得て、今の会社へ転職成功しました。やっぱり管理系は経験が一番の武器。経験積むにはブラックも我慢ですかね
。— あいん子@フォローすべきダークサイド人事OL20選 No7 (@Acht_113) October 14, 2018
昨日LECから昨年度の合格体験記が届いたので読みました。中卒・高卒で合格された方や60代で合格された方等、司法書士試験は学歴・年齢関係なく挑戦できるのが魅力なんだと改めて思いました。あと宅建・行政書士を持っている方が多いですね!
— まさのん勉強垢@20司法書士受験生 (@masanon_study) January 20, 2020
上記の口コミにあるように、未経験からの資格取得や転職は不可能ではないということがわかります。
ただ、行政書士資格で転職したという人の数は少ないので資格取得すれば転職できると考えないほうがよいです。
転職するとしても、ある程度年齢が若く、職歴もあり、パソコンスキルその他仕事に必要なスキルがないと厳しいと思います。
未経験でも資格取得はできる?
試験自体は合格率が10%前後の難関資格です。
とはいえ、受験資格はなく、法律になじみのない人も合格できる試験ですので、未経験だとしても合格は可能です。
近年は安い通信講座も多くありますので、独学が苦手という人もコスパよく資格取得が可能となってきてます。
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行政書士取得がおすすめな人
行政書士取得がおすすめなのは以下のような人です。
- 専門職に就きたい
- 責任ある仕事をしたい
- 仕事を通して社会貢献したい
- 将来的に独立開業を目指している
行政書士はネットではいろいろ言われてますが、社会的には知名度があり、活躍する場もたくさんありますので、取得して損はない資格です。
将来的にフリーランスを目指してるという人にもおすすめですね。
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行政書士資格で転職する条件とは?
年齢
転職先は中小零細の法律事務所が多くなるので、一般的な企業とは異なり、年齢の上限があってないようなところも少なくありません。
実際、40過ぎて未経験でも採用してくれるところもあるようです。
とはいえ、年齢が高ければ高いほどそれまでの経歴を見られるわけで、厳しくなるのは同じです。
もし未経験者で採用された場合には、新人としての下働きや、顧客の元や官公庁などへ頻繁に出向くなどの体力仕事もかなり多いです。
そして、どのような職場であっても、行政書士として求められる能力は、細かなミスに気付いたり、数字のデータなどを正確に扱ったりすることのできる高い事務処理能力です。
1字間違うだけでも大幅な修正が必要となることもあるので、パソコンスキルも含めた細かい注意力や気づかいは必須の能力となります。
参考:フォーサイト「行政書士は就職に有利なの?行政書士の平均就職年齢は30代」
実際のところ、パソコン操作を求めている求人は多いですので、WordやExcelなどの基本的な操作はできるようにしておきましょう。
未経験ということで事務処理以外にもいろんな雑務を任されることも覚悟しておく必要もあります。
異業種から転職する場合はそれまでの社会人経験や経歴をどう活かすかなどアピールできるようにしましょう。
実務経験・経歴
求人サイトを見てもらえればわかりますが、必ずしも法律関連の経歴は求められません。
もちろん、経験者向けの求人だと法律事務所での経験年数を求めるのが普通ですが、未経験OKの求人も数多くあります。
年収事情
実際のところ、年収の幅は経験年数や所属する事務所の規模などで大きく変わってきて、年収300万から700万くらいまでが多いです。
資格があるからといってすぐに高い年収をもらえるというケースはなかなかないでしょう。
資格を持っている人はご存じかと思いますが、試験自体は実務と直結しない内容で、研修制度も十分とは言えないので、実務は仕事をしないと身についていかないです。
高い年収を得るためにはそれなりの実務経験が必要と言えます。
独立開業する場合の費用
開業するには、少なくとも行政書士会への登録費用(入会費・登録料・会費)で20万から30万ほどかかります。
この登録費用はどこの都道府県で登録するかによって異なるので、お住まいの地域の行政書士会に確認する必要があります。
その他事務所の設置が必要であり、数10万かかります(自宅開業なら負担は抑えられます)。
事務所の要件も厳しく、セキュリティや居住空間との区別などがあり、詳しくは近くの行政書士会に聞くことが必要です。
その他、事務所の備品やHP作成、名刺、勉強費用などといった事務所運営の費用も含めるとそれなりの費用がかかってきます。
一般的な起業に比べれば開業費用は安いと言えますが、すぐに顧客を獲得する見込みがないならある程度余裕を持った資金の蓄えが欲しいところです。
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行政書士の主な就職先・転職先
行政書士事務所
最も一般的なのが行政書士事務所にて働くパターンです。
必ずしも有資格者ばかりが求められているわけではなく、無資格でも補助者として働けるような求人も少なくありません。
実際のところ、有資格者だと後々独立してお客さんを取られるという心配もあるため、有資格者の採用に消極的な事務所もあるようです。
司法書士事務所
司法書士の方は行政書士の有資格者が多く、司法書士業務に付随した行政書士業務のためにも有資格者を採用しているケースがあります。
司法書士も目指している人は司法書士の実務も経験できる可能性があるためおすすめですね。
税理士事務所
税理士事務所も行政書士業務を同時に行っていたり、事務所が併設されてたりすることが多いです。
税理士を取得すると行政書士は無試験で取れるということも関係しているのでしょう。
実際の業務内容でも、記帳代行や資金調達、会社設立など共通する部分も多いです。
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社会保険労務士事務所
社会保険労務士も行政書士業務を同時にされている方が少なくないです。
社会保険労務士事務所の求人もチェックしてみましょう。
弁護士事務所
弁護士事務所でも行政書士有資格者を応募しているところは意外に多いです。
将来的に司法試験を目指している人にはおすすめかもしれません。
一般企業の法務部
求人としてあまり多くはないですが、一般企業の法務部という仕事もあります。
ただ、未経験から転職は一般的に難しく、法律事務所などである程度の年数を経験した人向けの仕事と言えます。
年齢的に若いならチェックしてみるのもいいでしょう。
行政書士資格で転職するメリット
専門職の実務経験を積める
実務経験を積めば他の事務所への転職も容易となり、小さい事務所から大きな事務所へ転職し年収を上げていくことも可能となります。
長く働ける
士業の方は年齢が高くなっても働いている場合が多いです。
資格は一生ものですから、定年がないという点で大きな魅力ですね。
独立開業が目指せる
先述の通り、開業費用は高くないので、独立開業がしやすいです。
事務所で働きつつ、お金を貯めて、顧客を獲得すれば、開業して軌道に乗せやすいでしょう。
人によっては資格取得してすぐ独立(即独)する人もいるくらいです。
行政書士資格で転職するデメリット
年収には限界がある?
実際のところ、事務所勤務だと年収1000万以上というケースはほとんど聞きません。
勤務で年収1000万を目指すなら、大きな事務所か企業へ転職するか、弁護士や司法書士などより難関な資格を取得したいところです。
年収1000万以上目指すなら独立開業のほうが早そうです。
AIで仕事がなくなる?
よく言われるのが仕事のほとんどはAIに取られるという意見です。
確かに、書類作成の仕事が多いので、理論上AIに代替される可能性はあると思います。
しかし、実際の業務はお客さんの悩みや要望を聞くといったコンサル的な要素も多く、これは簡単にAIが取って代わるようなものではないはずです。
行政書士資格で転職するための転職エージェント・サイトまとめ
ここでは行政書士資格取得者向けに求人がある転職サイト・転職エージェントを紹介していきます。
それぞれのサイトが独占している求人もあるので、いろいろチェックしておきたいところです。
いずれも無料で利用できますからまずは登録して求人のチェックをしてみることをおすすめします。
DODA
DODAで行政書士向けの求人探しをするメリットは以下の通りです。
- 年収が高めの求人が多い(地方・非公開求人も多い)
- 専門職の求人が多い(法律事務所や税理士事務所など)
- キャリアコンサルタントのサポートが手厚い(模擬面接など)
未経験向けの求人は少ないですが、ある程度社会人経験があればぜひ登録しておきたい転職エージェントです。
実際に公式サイトで行政書士というキーワードで検索すると多くの求人がヒットします。
マイナビエージェント
DODAほどではないですが、求人数は多めの転職エージェントサイトです。
マイナビエージェントで行政書士向けの求人探しをするメリットは以下の通りです。
- 求人数が多い
- 独占求人も多い
- サポートが手厚いと評判
- 面接対策や応募書類作成対策に力を入れている
20代~30代半ばくらいまでの方で転職によりキャリアアップしたいという方におすすめなサイトです。
マイナビジョブ20’s
その名の通り20代を専門にしている転職エージェントサイトです。
マイナビジョブ20’sで行政書士向けの求人探しをするメリットは以下の通りです。
- 20代向けの求人が多数
- 第二新卒・既卒でも安心
- 適性診断でしっかり自己分析
- 転職未経験の人をしっかりサポート
サイトをチェックしてみると、未経験OKや第二新卒歓迎の求人が多いです。
リクナビNext
リクルート社が運営する転職サイトでご存知の方も多いと思います。
リクナビNextで行政書士向けの求人探しをするメリットは以下の通りです。
- とにかく求人数が多い
- 未経験・第二新卒・既卒向けの求人が多い
- スカウト機能によりオファーメールをもらえる
転職エージェントのようなキャリアカウンセラーによる個別のサポートは受けれませんが、圧倒的な求人数があります。
他の転職エージェントと併用して求人をチェックしていくのがおすすめです。
行政書士資格で就職先・転職先が見つからない場合はどうする?
ここまで行政書士資格を活かした就職転職について紹介してきましたが、お住まいの地域や年齢、職歴等で就職転職は難しいというケースもあるのが現実だと思います。
独立開業という手もありますが、会社員を辞めてまで開業するのは収入が一気になくなる可能性があり、廃業のリスクを考えるとなかなか決断できないでしょう。
そんな場合はWebライターがおすすめです。
私自身行政書士合格から開業までの間は資格を活かして法律関係のWebライターを取り、収入を得ていました。
副業のWebライターでも、Webライター向けのクラウドソーシングサイトにて案件を見つけて、月5万から月10万くらいまでは目指せますので、資格を活かした副業としては悪くないかと思います。
開業後も行政書士兼ライターとしてのキャリアも描けます。
行政書士資格を取ったものの活かせずにいる、という人はWebライター副業を検討してみてはいかがでしょうか。
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【まとめ】未経験でも諦めずに行政書士資格を活かせる転職をしよう!
いかがでしょうか。
行政書士資格を活かせる転職先は多く、転職エージェントやサイトをうまく利用していけば未経験でもキャリアを積んでいける可能性が高くなります。
せっかく苦労して資格を取得したのに使わないのはもったいないですから、転職エージェントに登録してアドバイスをもらったり、非公開求人を提供したもらったりすることもおすすめです。